パリ視察(3)観客ファーストの真髄

全仏オープンテニスを観戦してきました。
準々決勝初日は、フェデラー vs ワウリンカ戦を観戦。(持っていたチケットは、ナダル vs 錦織戦だったのですが、会場で交換してもらいました 笑)
翌日の準々決勝2日目は、雨のため全試合が翌日に延期という事態にorz 
(ここ20年で2回目のことだそうです 苦笑)

日本だとチケット払い戻しで終わりですが、全仏オープンでは「チケット払い戻し+翌日のセンターコート以外のコートに入場できる」でした。
Wimbledonや全仏オープンは、プラチナチケットなので「チケット払い戻し」より「翌日に観戦できる」を望む人が多いと思うのですが、主催者は前述の対応を行いました。

私は翌日にモン・サン・ミッシェルツアーを組み込んでいたので観戦はできなかったのですが、翌日はどのようにして前日チケット持参者に席をあてがったのかがすごく気になりますが、この神対応は称賛せざるを得ません。

パリ視察(2)日本の国力の低下

昭和の時代、農協主催の団体旅行などで添乗員に率いられぞろぞろと群れをなして海外旅行にでかけ土産物の行商人と見紛われる日本人は、現地の人からは奇異の目で見られ、旅慣れた日本人からは「日本の恥」と切り捨てられていたが、近年ヨーロッパで見かける「お上りさん」集団の多くは中国語か韓国語を話している。

日本人は団体旅行を卒業して個人でヨーロッパを旅しているかといえば、そうではない。ヨーロッパで日本語を耳にする機会は思いの外少ない(個人的には、海外で日本語を聞きたくないので喜ばしいことではあるが)。つまり日本人は海外旅行(特にヨーロッパ)に行かなくなった、いや行けなくなってきてるのではないだろうか?

ここ10数年、平均所得も増えず物価や消費税は上がる日本人の可処分所得は近隣諸国に比べて減ってきていることと、長期の休暇が取りにくい日本の勤務体系、「台風が直撃しようとも、風邪で高熱が出ようとも出勤できないくらいなら死んだほうがマシと考えている日本人」と揶揄されるほどの無駄な勤勉さなどからヨーロッパ旅行などは老後の夢と化しているため、ヨーロッパでは日本人観光客に重きを置いていないようである。

パリ2時間バスツアーの音声ガイドに韓国語、中国語はあるが日本語はないのである。

このまま日本の国力が下がり続け、二等国になるのも時間の問題だろう。

パリ視察(1)障害者スポーツ選手のステータスの違い

テニスの全仏オープン開催期間中ということもあり、地下鉄構内の広告にラコステ、ナイキ、ウィルソン等全仏オープン関係のスポンサー広告が目立っていた。ユニクロも昨年スポンサード契約を結んだ史上最強プレーヤーであるロジャー・フェデラーをメインに以下に掲載する広告を多く目にした。(噂では、ユニクロはフェデラーと10年300億円の契約らしい!)

注目してほしいのが、車いすテニス界のレジェンド国枝慎吾選手は、フェデラー、錦織選手と同等に扱われているということ。国枝選手はグランドスラム22勝(フェデラー選手20勝)であり、日本の記者がフェデラー選手に「錦織(選手)がグランドスラムで優勝するにはどうしたらよいか?」と質問した際の回答が、「日本には国枝選手がいるじゃないか(=グランドスラムの勝ち方を知っている選手が日本にいるんだから、彼から学べばよい)」でした。

フェデラー選手も敬意を表す国枝選手の扱いが、日本企業であるユニクロでさえも日本では小さいという不思議(ユニクロも海外では国枝選手を大きく扱っているのに)。

このことはユニクロが悪いわけではなく、日本人は障害者スポーツを軽んじていて国枝選手に商品価値を見出さないため、ユニクロも費用対効果上国枝選手の扱いを小さくせざるを得ないのではないかと考えてしまうのである。