パリ視察(4)フランス人と自由

パリに観光旅行へ行ってルーブル美術館に行かない人はまずいないのではないでしょうか。

ほんとに広くて毎日何百人という大人が迷子になるというアトラクション的美術館で、すべての展示物を丹念に見ていくには少なくとも1週間はかかると言われています。
また、展示品の入れ替え、貸出が多く「本日(今月)は鑑賞できません」の看板があちこちに立っていますので、1週間連続で通っても見ることのできない作品もありそうです。かくいう私も昨年、今年ともにフェルメールの「レースを編む女」を見ることができませんでした(涙)

ツアー観光客の方のルーブル美術館滞在時間は3時間程度ということもあり、館内をガイドブック片手に走り名作の前で写真を撮っておしまいというもったいない(仕方がないのですが)鑑賞になってしまいます。

上記は「ルーヴル美術館の来館者行動データの分析」という図です。(出展:Louvre Museum’s DNA / senseable.mit.edu)
やはり「モナリザ」「ミロのビーナス」「勝利の女神 ニケ」あたりは外せないですね。

日本人にとって、ルーブル美術館=「モナリザ」といった公式が刷り込まれていますが、革命で自由を手にした自負のあるフランス人にとっては、「民衆を導く自由の女神」>「モナリザ」です。

ギフトショップを覗いても「民衆を導く自由の女神」グッズが「モナリザ」グッズよりも売り場面積、グッズの種類ともに多いのです。

「フランスの労働者は2週間から1ヶ月のバカンスに出かけるのが当たり前」というのを聞くと、日本人は「羨ましい、日本ではありえないこと」と諦め感しか出てこないのですが、自由を勝ち取ったという自負からくる「休む」という権利意識の強さに因るものだと思います。ただその代償としてバカンス時期の納期遅延や担当者と連絡が取れないことはお互い様だから諦めるという割り切り、それに伴う国の経済力低下も仕方がないという緩さが僕自身としてはフランスの好きなところです。
 

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